ミチコの
「復活マジB日記」

第1回 お父さんの仕事
 みなさん自分のお父さんの仕事、知ってますか?自営業や学校の先生という場合は、分かりやすいですが、会社員、それも大きな会社となると、勤めている会社名や部署、おおまかな事は分かっても、実際普段どんなことをやっているのかは分かりにくいものです。
 カウンターだけの飲み屋さんでの仕事をしていると、きっと家族でも知らないであろうお客さんの詳しい仕事内容やその悩みなどを聞いたりすることが多いのです。自分を含め、他のメンバーもいろんなバイトをしているので、どんな仕事もそれぞれ大変で、社会に貢献してすごいことだと、当たり前のことをそこで改めて思うわけですが、いろんな仕事のうち私が身近過ぎて全然よくわかっていなかったのは、自分の父の仕事。
 今まで工務課(今は施設課に変わったそうですが)という未知の響きと、父が文系の私とは正反対の工業関係の学校を出ていることから、きっと聞いても私には分からないだろうと思っていたことに加え、会社が終わったら真直ぐ寄り道もせず家にかえってきて、仕事の悩みを一切子供に吐露しない父の大黒柱っぷりのおかげで聞けずにいましたが、この歳になってそれはないだろうということで、思いきって聞いてみました。
 私が今まで知り得ていたのは、製薬会社というのと、最近工務課が施設課に名称変更変したということ。詳しく聞いてみると、父の担当は製薬機械やその施設の管理や開発だそう。沢山の書類をいつも持ち歩き、大阪本社に出張会議へ出たりしてデスクワークっぽいのに、たまに持ってくる会社での写真では機械の前にいたり、「今日は暑かった!」と日焼けして帰ってきて「○○組のなんとかさんが」と明らかに建設土木関係の方の事を話してたり、なにをしているのか合点の行かなかった点が今明らかに。開発した機械で、実は特許も持っているそう。初めて知りました。その他にも、買うと何千万もする機械を10万円で作って、その礼金が5万というのを繰り返す男っぷり。いくつか機械の写真や父が書いた設計図を見せてもらい、説明してもらいましたが、案の定、理解不能の専門用語がぎっしりで、わりと理数よりの弟に解説してもらう始末。大学出ても単純作業を黙々とする内職的仕事が好きで、それよりなにより家事のほうが好きという、学歴をてんで生かせ無さそうな私には、とにかくすごいことだということしかわかりませんでした。家では機械の事となるとうるさい以外は、いたって普通の、放屁の絶えない父なのに。そういう仕事で今まで私のわがままを聞いていてくれていたのかと思うと感慨深いです。お父さん万歳。
 父親というのは、仕事の事を自分からは言わないだけで、ほんとは知ってほしいものなのですね。その証拠に、一度聞いてみると写真や書類がいろんなとこから出るわ出るわ。みなさんも一度、聞いてみてはどうですか?お父さんの仕事。 って、もしかして私だけ?いままで詳しく知らなかったの。